お茶専門店の前を通ると漂ってくる心地よい香り
すっと背筋が伸びるような清涼感あふれる緑茶の風味は
ほっと一息つきたいときの一杯には最適。
心静かに、内側まで整えてくれるかのようです。
この毎日のほっこり、しあわせ感が
健康への近道にもなるならこんなに嬉しいことはありませんね。
今、世界的に蔓延する新型コロナ。
日本の感染者数や死亡者数は欧米より圧倒的に低いのですが、
一説には、緑茶を飲む習慣があり、
味噌汁や漬物、醤油などの免疫力を高める発酵食品を
日常的にとっているからではないか、といわれています。
チェルノブイリ原発事故以降、世界的に日本の伝統食への関心が高まりましたが、
近年、緑茶の効能も注目され始めています。
今回は、健康維持に期待できる緑茶の魅力をご紹介しましょう。
エピガロカテキンガレートのすごさ
緑茶に含まれる成分・カテキンはよく知られていますが、
約4種類あるといわれるカテキンのうち、
一番多いのが「エピガロカテキンガレート」(以下、EGCG)。
苦味や渋味の成分ですが、その含有量は6割近く。
紅茶やウーロン茶にはなく、緑茶以外の植物からはまだ発見されていないという特有のものです。
茶カテキン類はさまざまな化学物質に反応して、その突然変異を引き起こす能力を抑制する
ことがわかっていますが、中でも最も高い抗酸化・抗菌・抗ウイルス作用を持っているのが
EGCGだといわれています。
お茶に期待される抗酸化剤的な機能を、一手に引き受けているかのようですね。
「緑茶カテキンの抗菌、抗毒素作用」を伝える、こんな記事を見つけました。
EGCGは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対しても抗ウイルス作用を示します。EGCGは、①ウイルス
粒子に直接作用する、②ウイルスの細胞への吸着を抑制する、③細胞内でのウイルスDNA合成を抑制す
る、④HIVに感染した患者の細胞内でウイルス産生を抑えるなど、様々な作用を持っていることがわか
っています。EGCGは、ウイルスを媒介する精液中のタンパク質を中和する能力を示すこともわかってお
り、HIVへの感染を防ぐ作用をもつことが示唆されています。さらに、EGCGやTF3は、ポリオウイルス
やその他の種々のウイルスに対しても抗ウイルス作用を発揮することが報告されています。
静岡理工科大学総合技術研究所客員教授・静岡県立大学 名誉教授 小國伊太郎
静岡県立大学 食品栄養科学部 助教 島村裕子
(出典 https://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/documents/mechanism2013.pdf)
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こちらのレポートには、緑茶に期待できる健康被害の抑制機能について複数の論文が掲載されており、
EGCGには、ヒトの自己免疫疾患の予防効果があることが期待されるとあります。
NCBI(米国立バイオテクノロジー情報センター)のサイトには、このような記事もありました。
ここにもEGCGの文字が!
「緑茶からのEGCGは、ACE2受容体へのスパイク結合を阻害することにより、SARS-CoV-2および新しい変異体の感染を効果的にブロックします」
背景: COVID-19のパンデミックが激化するにつれて、新しいSARS-CoV-2の亜種が世界のさまざまな地域で出現しました。これらの新たに出現した変異体は、スパイク(S)タンパク質に変異があり、ワクチン誘発免疫および既存の中和抗体治療に対する耐性を付与する可能性があります。したがって、SARS-CoV-2とその変異型感染症の予防/治療のための安全で効果的で手頃な価格の薬剤が依然として緊急に必要とされています。
結果: 緑茶飲料(GTB)またはその主成分であるエピガロカテキンガレート(EGCG)が、生のSARS-CoV-2およびヒトコロナウイルス(HCoV OC43)の感染を抑制するのに非常に効果的であることを示しました。さらに、新しい亜種(UK-B.1.1.7、SA-B.1.351、およびCA-B.1.429)のスパイクによる偽ウイルスの感染は、GTBまたはEGCG(エピガロカテキンガレート)によって効率的にブロックされました。非細胞毒性用量の4つの活性緑茶カテキンの中で、EGCG(エピガロカテキンガレート)はウイルスに対する作用において最も強力でした。ウイルスまたは細胞を感染前にEGCG(エピガロカテキンガレート)とプレインキュベートしたときに、最も高い阻害活性が観察されました。
(出典 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34461999/)
さらに、インド医大・エラ大学の研究者たちの研究では、彼らが調査した18種類の食事分子の中で、EGCGがCOVID-19に対する最も活性な薬剤であると結論づけています※。参考までに、EGCGに続く有効成分の上位3つはクルクミン(ウコン)、アピゲニン(カモミールティー、パセリ)、ベータグルカン(大麦、オーツ麦)。結果の検証比較のため、対照に選ばれたコロナ治療薬・レムデシビルとクロロキンは、なんと最下位だったというのです。
(※「COVID-19の治療薬としての食物由来分子の固定」https://www.researchsquare.com/article/rs-19560/v1)
『台所はくすり箱』という本も世にあるほどですから、まさにその通りですね。
このように、様々に嬉しい働きを示してくれるEGCGは、植物の中にあるわけです。
ちなみに、その抗酸化力はビタミンCの約90倍・ビタミンEの約23倍だそうです!
抽出に推奨する温度
エピガロカテキンガレートは、溶液中で82℃から加熱による構造変化が起きるといわれています。
最も多く抽出される適温は70℃以上~80℃以下。
この温度帯が、一番ふくよかな甘みと渋みがほどよく混ざり、
美味しい煎茶を召し上がっていただくのに適しています。
また、前掲のエラ大学の研究者が推奨するEGCGの摂取量は1日当たり800mg。
4、5時間ごとに1日3~4回というものでした。
朝、昼、晩と、毎日の食事療法の習慣としてお飲みいただきたいです。
緑茶の農薬について
茶葉は、摘み取ると洗わずに加工しますし、そのまま抽出して飲用するものなので、
農薬や化学肥料が使われているかどうかは気にしていただきたいもの。
実は、国が定めたお茶の残留農薬基準は、他の農作物より高いのです。
お茶に使われている農薬は100種類以上ありますが、
その中で、大豆とお米の基準を比べてみると、
農薬 シラフルオフェン
お茶:80ppm 大豆:0.1ppm 米:0.3ppm
農薬 テブコナゾール
お茶:50ppm 大豆:0.3ppm 米:0.05ppm
農薬 クロラントラニリプロール
お茶:50ppm 大豆:0.2ppm 米:0.05ppm
お茶のほうが1000倍多いものもあり、桁が違います。
その理由は、直接食べるものではなく抽出物だからとのこと(!?)。
しかし、実際にはEUの基準のほうが厳しく、お茶の場合は500倍差があるとのことです。
基準はしっかりとご自身で持ち、一つひとつ選択したいものです。
毎日の少しずつの積み重ねが、今の健康、不調につながっていくのですから。
新発売 無施肥・無農薬栽培 ラストラ プレミアム 煎茶パウダー
このプレミアム煎茶は、44年前から無施肥無農薬栽培を始めた
日本で先駆的な茶園、近江・朝宮で摘まれた茶葉です。
朝宮といえば日本最古の茶園歴史を有する産地。
「朝宮煎茶」は、農薬、化学肥料、除草剤を一切使用しないことはもちろん、
有機肥料さえ使用しない環境の中で、丁寧に栽培されています。
自然そのものの清らな風味をご堪能ください。
スティックタイプの煎茶パウダーが新発売
このたび新たに発売した煎茶パウダーは、緑茶のもつ素晴らしい働きを残らずいただくことができるもの。
実は、煎茶の素晴らしい有効成分も、水に溶けにくいために茶殻に残ったままの栄養成分があります。
ビタミンAやビタミンEなどがそれで、急須に残したまま捨ててしまうことになるのです。
この成分は、血管を強化し、抗酸化作用から老化防止にもなるとしてヒトに大変有効な成分ですが、
なかなか摂取することはできません。
そんな素晴らしい成分を、茶葉に残すことなく丸ごといただくことが、
粉末にすることで可能になりました。
スティックタイプですから、お気軽にどこにでも持ち歩けます。
水に溶けやすいので、お出かけ先でいつでも緑茶のおいしさを味わっていただけます。
また、お料理やお菓子に使うなど、飲むだけでなく「食べる」お茶としてもご活用ください。