自然素材にこだわる建築家が創ったモダン&ヒーリングバスルーム

愛知南山の丘の上に建つI邸は、コンクリート打ち放しの白っぽい外観が美しい家だ。
敷地面積や状態、家族構成などを十分に考慮し、その上で一番似合うものを提案するという建築家宇野友明氏は、家を建て始めるまでに既に2年、お施主様と付き合いがあったと言う。

じっくりとお施主様の意向を聞き取り、それを丁寧に現実化する宇野氏設計の家はいつもまったく違うそうだ。そして、そんな宇野氏の建築の現場では、あらゆる場面で職人さんの経験、知識、技術がとても頼りにされている。なぜなら宇野氏は既製品を使うことがないからだ。窓のサッシから、ドアの取っ手、スウィッチ本棚、キッチン家具など、あらゆるものがそれぞれにこだわりの詰まった職人の手仕事。そして、また、現場でも職人さんの手で見事にその一つ一つが家の一部として、ぴったりと組み込まれていく。最初からそこにあったかのように…。

そんな宇野氏は、最初からバスルームにアクリルの浴槽を置くことを全く考えていなかった。
それだけが浮いて安っぽく見えるのを懸念してのことだ。空間に置いても違和感がないだろうと宇野氏が選んだのは、シンプルな楕円のデザインの信楽焼陶浴槽だった。何よりも人工的でない自然素材であり、ゲルマニウムパウダーをあしらったヒーリング仕様のバスタブ。空間を活かすから…とお施主様に話をして納得していただいたそうだ。そして、できたのがモダンで開放的なバスルーム。広々としたスペースに信楽の既成概念を超えた楕円形の陶浴槽が置かれている。イタリアンデザインのごとき流麗なフォルムのお風呂は、それでいて自然のぬくもりが満ちている。これもまた、確かな技術で美しい作品を創る職人の心意気そのものだ。建築家も現場の職人さんも、家のそれぞれのパーツを創る職人さんも、すべてが最高のものを力を惜しまず創り上げた…そんなエネルギーいっぱいの建物は、きっといつまでも愛されるやすらぎと癒しの場所であるのだろう。

HEALING CERAMIC BATH.
ヒーリングセラミックバス

信楽焼の常識を超えた最高峰の美しいフォルムと機能性を兼ね備えたヒーリングセラミックバス